師走と要件定義とデジタル従業員
どもども、ジャナイホーです。
師走です。師でもないのに走ってます。
この記事にインスパイアされたので、書いてます。
自動化による削減時間が、コア業務への転換とか、高付加価値業務への転換には使われない。各人の裁量で自動化しているので、各人の裁量の範囲でしか活用できない。仮に、各人が削減時間を活かす方法を考えたとしても、各人の裁量では、結局、ほとんど何もできないのが現実ではないでしょうか。各人のデスクトップの自動化に矮小化された結果、業務効果を出せずにいるのではないか。
効果を出す為に。。。
非定型業務を定型化・標準化させることが出来れば、RPA化できる範囲が広がるので良いんですけど、それ以外で提案できること、としていくつか考えてみました。
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専任の専門家集団による導入をコアに据えた、高度なデジタル従業員を導入する方法論の実装。
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自動化対象業務選定プロセス、要件定義タスクの洗練化。
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RPA導入目的、戦略、ビジョンの明文化と共有。
今回この記事では、このうち「要件定義タスクの洗練化」について少し、言及してみます。
要件定義タスクの洗練化
ポイントは以下です。
- 自動化対象候補となっている業務の前後のプロセスまで、要件定義する。
⇒ つまり、その業務の開始トリガーを深堀する。
⇒ また、その業務のアウトプットの利用の先の先まで深堀する。 - もっと言うと、一連の業務(複数の関わる人々含めたEnd to Endのプロセス)フロー全部を要件定義する。
- 全体業務フローを描き、最初のとっかかりの自動化対象を明確にする。
- 次の自動化候補、アプローチ先を可視化・共有する。
これで、意外と、「各人の範囲」を脱却することが出来るのでは。
「デジタル従業員」となることを目指す
次に、作るロボットを出来る限り、「デジタル従業員」として稼働できるロボットとなることを目指してみます。
これには、"UnAttended Automation" という考え方が必要です。
"UnAttended Automation"の定義ですが、以下を満たすものになります。
- 「消灯時間中」に、「指導いらずで」動くもの。
- 実行中に誰も画面を覗かなくて済むもの。
- 起動指示含め、人とロボットがデスクトップでやり取りが不要なもの。
- ロボットと人とのコミュニケーション手段が明確になっているもの。
- 単に複数の手作業を自動化させるだけではなく、想定外の状況から自動的にリカバリできる、堅牢さがあるもの。
- 複数マシンで同時に並列処理出来るもの。
要件定義は、設計・実装する際のインプット情報となります。
つまり、後段の設計や実装タスクで必要となる情報が不足していては、意味がない。
なので、その後段のタスクで必要とする情報が何かを考えて、要件定義します。
「デジタル従業員」的なロボットを育てる上で、特に、見逃しがちで、注意すべき点を以下に挙げてみました。
設計する(要件定義ヒアリングする)際に注意すること
- 想定外の状況からリカバリするにはどうする必要があるのか。
- 複数マシンで同時に処理するには、その処理単位をどう定義するのか。
- 業務プロセスを「直線的な一方通行の順次実行手順」とみなさない。
「複数回、同じような処理を自動的に繰り返す手順」と考える。
⇒ 1件処理したら次、最初のポジションから次のデータの処理を繰り返す
⇒ 途中のデータでエラーが発生したり、想定外のエラーが発生した場合に、リセットして、次のデータの処理を繰り返す。
下記の記事が参考になるかも、です。
これで、かなり、お手持ちのRPAを「デジタル従業員」へ飛躍させることが出来るのでは。
まとめ
RPA実装の担当者の皆様が、業務効果を出す為の手段の一つとして、
「要件定義を見える範囲より広く、かつ、深く、行う」
「要件定義で、達成する業務自動化のゴールを明確にする」
「デジタル従業員化を実現できる設計とする」
を見据えてRPAを考えてみて頂けると、幸いです。
来年は、
効果が出せるロボットを作った方々が称えられるように、中身を可視化する仕組み、
とか、
メンテナンス費用とかを可視化していく仕組み、
などを考えていきたい、と思った師走のある一日でした。
、、、あ、ベストプラクティスは、デジタル従業員化を推進するための一つの手段です。ご参考まで。